つられてくすくす笑うコレットの体が、急に、ふわりと宙に浮いた。
「きゃっ」
驚いて笑いがぴたりと止まり、焦ってしまう。
「あの……陛下?」
両脇を持たれて抱き上げられており、いつも見上げている陛下の顔が下にある。
高い位置から見下ろす銀の髪は艶々としていて、よりいっそう綺麗に見える。
いつも強い光を宿している狼の瞳は、楽しそうに輝いていた。
その普段見ない景色は、コレットを不思議な気持ちにさせる。
「コレット・ミリガン。こんなに笑ったのは久しぶりだぞ」
「あの……なにが、おもしろかったのですか?」
「君だ」
「わたしですか??」
「そう。君は本当に私の予想を超えてくる。さっきのは最高だったぞ」
そう言われながらくるりと一周振り回されるようにされ、恐ろしくて小さな叫び声をあげる。
けれど陛下は止めてくれず、三周ほどくるくると振り回されたあと、すとんと下に下ろされた。
「あ……ありがとうございます」
何に対してお礼を言ってるのか、自分でも分からない。
くらくらと目が回ってしまい、まっすぐに立っていられず、陛下にしがみついた。
振り回された怖さと笑顔の意外さと褒められたうれしさがごちゃ混ぜになり、胸のドキドキが止まらない。
そんな彼女の腰は陛下にしっかりと支えられ、最上階へと誘われた。
王妃仕様となったという、コレットの部屋へと。


