狼陛下と仮初めの王妃



テーブルには、金の燭台と金の器に盛られたフルーツが等間隔に並べられている。

その燭台と対になるように、八人の紳士が座っていた。

各々のお隣にはご婦人の姿もあり、コレットは内心でホッとする。

厳しい顔つきの大臣ばかりよりも雰囲気が柔らかくて、余計な気を張らなくて済みそうだ。

と、そう思ったのも、束の間で……。

入り口から席に移動して行く際に、キツイ視線を感じてドキリとする。

ご婦人方の目線は、コレットを値踏みするように、頭から足の爪先まで何度も往復している。

そのほとんどは友好的なものではなく、まるでちくちくと針が刺さるかのよう。

女性特有のねっとりとした思念を感じてしまい、自然に、陛下の腕に絡めた手に力が入った。

ご婦人方は皆、コレットが王妃にふさわしいかどうか、見定めに来ているのだろう。そう思えば、ますます手に力がこもった。

すると、ふと手の甲にぬくもりを感じ、コレットは隣を見上げた。

陛下はまっすぐに前を向いているが、大きな手のひらはコレットの小さな手をすっぽりと包み込んでいる。

ぐっと握ってくるそれはとても力強く、ひとりではないことを伝えていた。

「大丈夫だ、ありのままでいろ」との言葉をもらった気持ちになり、とても心強くなる。

うつむきがちだった姿勢を正し、まっすぐに前を向いた。