このまま陛下に会うのは、気まずく思えてしまう。
コレットが首をひねって考え込む身支度部屋の中では、侍女たちがせかせかと動きまわって純白のドレスやメイク道具を片付けている。
リンダは大切そうに抱えていた宝剣入りの白い箱を、そっとテーブルの上に置いていた。
コレットはそれを目にして、ハッと思い立った。
もしかしたら、宝剣を重石代わりにしたのがいけなかったのかも!と。
風に飛びそうな書類を押さえるためとはいえ、大切なものを机の上に置くなどとんでもないことだ。
第一使い方が間違っている。
『胸を貫け』
儀式での陛下はとても真摯な瞳で熱くて……思い出すと、胸がきゅんと締め付けられる。
大切な誓いのお道具なのに、なんてことをしたんだろうか。
陛下が怒るのも無理はない……。
「……陛下に謝らなくちゃ」
あまりにも無神経な自分の行動で、胸に鉛がつまったようにズシンと重くなる。
哀しくなってへこむコレットだが、それでも釈然としないのは、あの言葉だ。
不意打ちとは、どういうことだろうか。
落ち込みつつ待つコレットのもとに、陛下は迎えに現れた。
黒から紺の正装に着替えており、綺麗な銀の髪がいつもより映えて見える。
凛々しい人は、何を着ても似合うのだ。


