そこまで言うと、リンダは、ポッと頬を染めた。
そのときのことを思い出しているのか、頬を押さえて少し瞳を伏せる。
「それで城に来まして、コレットさまにお会いして、納得いたしましたの。私は、陛下が一目惚れして、どうしようもなく恋い焦がれてお迎えになられるお方をお守りするために、アーシュレイさまに選ばれたのだと」
リンダの話す様子は、どこかで見たことがあるとコレットは感じていた。
そうだ、アリスがニックとの恋のなれ初めを話すときにとても似ている。
恥ずかしそうで、うれしそうで……。
コレットがまだ感じたことのないもの。
そして、このとき初めて、アーシュレイは貴公子だったことを知った。
彼には、いろいろ驚かされる。
「リンダは、とても彼を尊敬しているのね?」
するとリンダはますます頬を赤らめてモジモジと話した。
「はい。アーシュレイさまは、とても素敵なお方ですから」
恥じらいながらも正直に話すリンダの様子は、コレットにとって、好感が持てるものだった。
彼女となら、仲良くなれると思え、偽物王妃となる緊張が少しだけ和らいだ気がした。
それからしばらくの間、コレットはリンダと他愛ないおしゃべりをして過ごした。


