狼陛下と仮初めの王妃



「リンダ、これすごく美味しいわ。疲れもどこかへきえてしまったわ。ありがとう」


晴れやかな笑顔を見せるコレットに、リンダはホッと安堵の息を漏らした。


「それはよかったですわ!でも、私、コレットさまがお疲れになるのよく分かりますの。勝手が違うと誰でも戸惑いますから。ですから、なにかあれば、なんなりとこのリンダに申し付けくださいませ!全力で、お役にたってみせますから!」


困ったことや頼みごとは全部引き受けます!と、リンダはポンと胸を叩いて、背筋を伸ばす。とても頼りになる侍女だ。


「リンダはお城でのお勤めは長いのですか?」

「いいえ、正直に申しますと、まだ二日目です」

「え!?それなら、わたしと一緒なの?」


お風呂に入れる様子は百戦錬磨のベテランに見えたのに、コレットは心底驚いてしまう。

するとリンダはちょっと恥じらうように笑った。


「はい……私は、アーシュレイさまの、ナアグル家に奉公していました。今回『信用のできる侍女が必要になった』と……アーシュレイさまに『リンダが必要なんです!』と、熱く言われて……」