「う……」
きらきらと光る純粋な瞳を見て、アーシュレイはたじろぎ一歩後退りをした。
だがすぐに気を取り直し、少しずれたメガネをくいっと上げる。
「はっきり言ってしまうと、期間は定まっていません」
「え、定まってないって。どういうことですか?」
コレットの声が少し沈み、青い瞳は切なそうに潤む。
それはとても美しく、またもたじろぎそうになる彼だが、ぐっと堪えた。
全部は言えないが、陛下の傍にいるためには、知っておかねばならないこともある。
アーシュレイは頭の中で素早く話の重点をまとめた。
「どうやらあなたには、きちんと説明をしなくてはならないようですね。何故陛下はあなたを偽の王妃にするのか」
そう言ってコレットに椅子に座るのをすすめ、自らも椅子に座って向かい合った。
「内戦が終わって三年が経ちました。破損区域の修復が粗方すむと、国民たちの興味が他に移り、国の安泰のためにも陛下にお妃を望まれる声が高まります。城内でも声が高まりつつあり、大臣たちは貴族の令嬢方との婚姻をすすめてきます」
そこまでは分かりますね?と訊かれて、コレットはこくんと頷いた。


