狼陛下と仮初めの王妃



狼陛下が信頼を寄せてお任せするほどの人だから、とても厳しくて怖い人に違いない。

年配の男性で、眉間にしわを寄せた神経質そうな人かもしれない。

年齢や容姿などを想像しながら、食事の間でぽつんと待つコレットを迎えに来たのは、メガネの騎士だった。


「え、あなたが、アーシュレイさんですか!?」


驚いたコレットに対し、彼は「あれ?名乗っていませんでしたあ?」と、しれっと言った。


でも驚くのと同時に、すぐに納得できた。

そういえば、陛下にミルクをかけたときからずっと関わっている人だったと。

陛下は彼になんでも命じているようで、すごく信頼しているのだろうと思える。

でも戦い専門の騎士である彼に教育ができるんだろうか?と思ったのも事実で……コレットは目の前にいるアーシュレイの顔をじーっと見つめた。

少しウェーブのかかったブラウンの髪に銀縁の丸いメガネ、陛下と比べれば体の線は細めで、武闘派というよりは頭脳派っぽい。


「失礼しましたね。改めてご挨拶します。我が名はアーシュレイ・ナアグル。一等騎士の称号を持っています。今日より、あなたの教育係を任じます」


礼儀正しく挨拶をするアーシュレイに、たどたどしいながらコレットも挨拶を返した。