狼陛下と仮初めの王妃



「心配するな、私のことしか考えられなくしてやる」

「え、え?陛下──……」


サヴァルの指や唇が柔肌を滑るにつれ、コレットの戸惑いの声があまやかに変化していく。

コレットにとっては、はじめての営み。それゆえに優しくするよう努めるが、初々しくも艶っぽい反応に、つい我を忘れそうになる。

年上の男として、余裕を見せたいサヴァルなのだが──。


肌を合わせ終わり、サヴァルは、コレットの乱れた髪を指先で丁寧に梳く。

するとそれが心地いいのか、とろとろし始めた。


「疲れたか?」

「はい……」

「ならば、ゆっくり休め」

「ん、おやすみ……なさい」


まぶたに唇を落として抱き寄せれば、胸に顔をうずめ、すぐに静かな寝息を立て始めた。

コレットを眠らせないつもりだったが、結局はサヴァルの方が眠れずにいる。


「まあ、これも、いいものだ」


ベッドサイドの灯りはいつの間にか消えており、壁のランプがひとつ点いているだけ。

それがフッと消える頃、サヴァルも深い眠りに落ちていた。


【狼陛下の求愛・完】