狼陛下と仮初めの王妃



「そうか。君は本当にかわいいな。そういうところも、私は好きだ」


コレットの手のひらから手を引き抜き、腰を引き寄せて上を向かせた。


「あ……」

「今夜は、君を、眠らせないからな?」


サファイアのように美しい瞳に、ふっくらと柔らかそうな唇、キメ細やかで艶やかな肌。

全部がサヴァルのものになる。

身のうちにある熱を伝えるように、思いを込めたキスをする。

もう遠慮はしない。

誓いのキスとは比べ物にならないほど深く濃くすれば、コレットは甘く熱い吐息をする。


「ん……ふっ……陛下……ま……待って」


唇を離したわずかな合間にコレットがストップをかけるが、サヴァルは止められない。

切なげな声は、却って熱を増してしまう。


「私は、もう十分待っていたぞ」

「え?」


頬を赤く染め、潤んだ瞳がサヴァルを不思議そうに見つめる。


コレットは知らないだろう。

サヴァルは、偽の初夜からずっと堪えていたことを。待てなど、きくはずがない。

キスをしながらベッドまで移動し、そっと押し倒して胸元に唇を落とす。


「や、陛下……灯りが、ついてて……」

「ふむ、なにも聞こえないな」


つい、意地悪になる。

ランプは灯り油を調整してあり、時が経てば自然に消えるようにしてある。

実は放っておいても、平気なものだ。