狼陛下と仮初めの王妃



立ち上がった瞬間に、牛小屋の入り口から歓声が沸き上がった。

満面笑顔の皆に囲まれ、サヴァルはコレットを守るように腕の中に仕舞いこんだ。

が、それもつかの間で、式の準備をしましょうと言うリンダにさらわれてしまう。

支度を待つ間、恐縮するニックに王妃として迎える了承を得、少し話をした。

コレットのご両親のこと。これからのこと。それから、感謝の意も伝えた。


やがてアリスに手を引かれて出てきたコレットを見、騎士団員から感嘆の声がもれる。

純白のドレス姿を見るのは二度目だが、笑顔を向けてくれるコレットは、今まで見せてくれたどのドレス姿よりも美しい。


牧場で式を挙げたことにより、コレットの親代わりのニック夫妻も大いに喜んだ。

求愛に成功し、最終手段を使わずに済んでホッとしていたサヴァルだが、コレットに問われて思わず白状してしまったのは予想外のこと。

コレットの前ではウソがつけない自分がおり、なんとなく、尻にしかれる予感がしたのだった。