コレットの甘い香りがサヴァルの鼻をくすぐり、やはり心地よいものだと感じる。
失った欠片がカチッと嵌り、尖っていた心が丸くなっていく。
「コレット・ミリガン。君を迎えに来た」
静かにささやきかければ、コレットは、心底分からない、といった声色を出した。
「陛下……どういうことですか?」
サヴァルは腕の中にある華奢な体をくるんと回し、手の中にある箒を奪って壁に立てかけた。
そしてコレットの前でひざまずき、手をそっと握る。
ここまで来れば、ただ、愛しい者に真剣な思いを伝えるのみだ。
「君こそ、私が求めている“王妃に相応しき者”だ。コレット・ミリガン。私の真の妃になってくれないか」
「え……でもあの、わたしでいいのですか?」
「私は、君を愛している」
真摯に告白をすれば、コレットの青い瞳は答えを探すかのように、まっすぐにサヴァルに向けられた。
わずかに瞳が揺れている。心の中には、さまざまな思いがめぐっているのだろう。
「コレット・ミリガン。私とともに生きてくれるか?」
「はい、サヴァルさま。わたしも、あなたを愛しています。わたしを導いてくれますか?」
「それは、もちろんだ」


