「そのことだが、ミネルヴァ。彼女にはまったく罪がない」
「は……?それはいったいどういうことでございましょう?」
顔中に疑問符を貼り付けた顔つきのミネルヴァに、アーシュレイが静かに言った。
「ミネルヴァ大臣。彼女には、我らが頼んで王妃のふりをしていただいていた、ということです。身上も我らが決めたものですよ」
「な、なんと……王妃のふり??それは……どういうことなのか」
狼狽えたミネルヴァの目が、空をさまよう。
ミネルヴァには、アーシュレイの言っていることがまったく理解できないでいた。
そんな彼に、アーシュレイが偽物王妃を仕立てた理由を滔々と話して聞かせた。
いわゆるミネルヴァのような者の身内を王妃に迎えたくないと。
「は……左様で……ございますか。では、王妃はまだ不在のまま、ということですな?」
ミネルヴァの表情に明るさが戻る。
王妃が決まっていないということは、娘のナタリーにも可能性があるということだ。
そう、自分が陛下に忠誠心さえ見せ続ければ、きっと何とかなる!そう思うのだった。
「ですが、ミネルヴァ大臣。我らは、すでに“王妃に相応しき者”を見つけております。近々その者を正式な王妃に迎えようとしており、現在準備中です」
「は!?それは、どこのご令嬢でございましょうか!?」
ミネルヴァが食いつくようにして訊くが、アーシュレイは無言のままニッと笑うのみだ。


