「ジフリード、貴様が生きているとは思わなかったぞ」
「はい、逃げました!あのまま城にいれば毒を処方せよと命じてきた大臣に、いつ殺されるか分かりませんからねえ。内戦に紛れて身を隠しましたよ」
ジフリードは、大臣に金を渡されて毒を作ったが、いつも身の危険を感じていたという。
その逃亡中にマリアと出会って親切にされたと言って、彼女を示した。
「ならば隠れ続けていればいいだろう。何故、今ごろ出て来た」
「ご結婚されたと、噂を聞きましてねえ。お世継ぎが生まれると、王家の血筋を引く、このマリアさまがお困りになりますから。殺さなければならない人が増えてしまいます」
「王家だと……?嘘を言うな。内戦時に王族は殺されて、絶えたはずだぞ」
陛下が睨みを利かせると、ジフリードはたじろぎながらもニヤリと笑った。
「このお方は、ユーリス王の祖母さまの家柄であられます。この国の片隅で、ひっそりと暮らしておられました。ガルナシアの王族復活を望まれています。私は、そのお手伝いをしたいと申し出たわけです」
「ふん、随分薄い血筋だな。王族とは名ばかり、ただの外戚だろう」
「そんなことはないわ!立派な王族よ!」
マリアが激昂して、陛下を睨みつける。
王族の一員としてパーティに出席したことのあるマリアは、そのことに誇りを持っていた。


