その夜、部屋に来た陛下に鍵を失くしたことを話し、どう償ったらいいですか?と沈み込むコレット。
世継ぎの証を失くしてしまうなんて、今度はどんなお沙汰が下されるのか。
とても厳しいものに違いない。
ところが陛下は、コレットの頭を撫でて「君のせいではないぞ」と優しく言った。
警護にあたっていた騎士たちの報告を受けた後、陛下はすぐにいろいろ調べたという。
「四日前、君が書庫の鍵を部屋まで持ち帰って、箱の中に入れているのをリンダは覚えていた。それにアーシュレイも首に鍵をかけて部屋に戻っていったのを覚えている。君はしっかりと管理していたよ」
「え、それじゃ、どうして箱の中にないのですか?」
「盗まれた。と考えるのが妥当だ。ミネルヴァも怪しいが確たる証拠はない。だがひとつだけ、確かなことがある。君は、三日ほど前から、ある人の姿がないのに気づいているか?」
「……マリア、ですか?」
「そうだ。リンダの下に付けた彼女がいない」
「はい。でも、彼女のお母さまが体調を崩されたので実家に帰ったと聞いています。あ!まさか……」
コレットの脳裏に、鍵に興味を持っていたマリアの姿が浮かぶ。
確かに、誰にも怪しまれず王妃の部屋に自由に出入りできるし、宝箱の鍵のありかを知っている可能性もある。
陛下の考えでは、盗まれたのは夜会が開かれている最中だそうで……。


