陛下が厳しくも窘めるように言うけれど、コレットの気持ちは揺らがない。
だって、なんとかして原因を掴んで、陛下に注意をしてほしいのだ。
瞳を潤ませて陛下に詰め寄り、夜着をぎゅっと掴んだ。
陛下の厳しい瞳がたじろいだように見開いたが、余裕のない彼女はまったく気がつかない。
「でもわたし、陛下が心配なんです!」
勢いに押されそうになる陛下は、コレットの意図するところがさっぱり分からずに首を傾げた。
「ちょっと待て。意味が分からない。先代の死の謎が、どうして私につながる?」
コレットが考えついた呪いのことを話すと、陛下は口角をあげた。
「大丈夫だ。もしもそれが本当だとしても、私は書物は見ない」
自分の夜着を掴んでいるコレットの指をほどき、手のひらの中に収めた。
「それよりも、現実には、君の方が命を狙われていることを忘れるな。前も言ったが、ハンネルの者が滞在中は皆が浮足立っているから、君はなるべく出歩かない方がいい。先代の死の謎は、私も気になっているところだ。外交が終わったら、共に考えると約束する。いいな?」
「……分かりました」
傍にいられる期間が残り少ないと思い焦るコレットだけれど、一応思いは伝えられたことには安堵した。
謎は大きく残るけれども、陛下は今までよりも身辺に気を付けてくれるはずだ。
「君の質問は、終わったか?」
「はい。ありがとうございました」
「それならば、今度は、私の質問に答えてもらおうか」


