エドアールは、コレットの前で阻むようにして立っている騎士たちを示して、少し肩をすくめた。
「コレット王妃、あなたに近づくことをお許し願えますか」
護衛の騎士ふたりは、相手が誰であろうと警戒を怠るなと、陛下に命じられている。
何者でもコレットに近づくならば、体を張って止める覚悟でいた。
それは例え相手が隣国の王太子であっても。
エドアールはそんな騎士たちの気迫を感じ、コレットに近づけないでいた。
さすが内戦を収めた精鋭たちで、ただ立っているだけでもその強さが伝わってくる。
ハンネルの近衛騎士団長でも、刃を交えれば勝てるかどうかエドアールには分からない。
それほど強い気を放っているのだ。
「彼はハンネルの王太子、エドアールさまです。皆は下がっていてください」
コレットが声をかけると騎士たちは顔を見合わせて頷き合い、数歩後ろに下がったところで警戒を始める。
傍に寄り添うようにしているリンダとマリアにも、大丈夫だから離れてと声をかけ、コレットはエドアールと向かい合った。
玉座から見たときは分からなかったが、彼も陛下と同じくらいに背が高く、碧い瞳には気力が漲っている。
けれど線が細くて物腰柔らかなところは、陛下の力強い逞しさとは違う。
そこはやはり王族だと思う。


