狼陛下と仮初めの王妃



一歩城から出れば、入口付近にはいつもと違う賑わいがあった。

白い制服のガルナシアの騎士と、灰色の制服のハンネルの騎士たちの姿がある。

皆で円を描くように集っていて、その中心ではエドアールがガルナシアの騎士団長と話をしていた。

互いに真剣な眼差しで向き合っており、騎士団長は話をしながら城門の方を指差したりしている。

警備に関することを話しているのだろうか。

コレットは少し気になりつつも、その輪を横目にして庭園を目指した。


庭園は、花の勢いは以前来たときより多少弱くなっているが、変わらぬ美しさで心が和む。

所々に設置された水場に小鳥が訪れ、ひらひらと舞う蝶が花に止まる。

城が外交で騒がしい中、ここだけは別の時が流れているかのように穏やかな空気に満ちている。

サーラの赤い花のアーチは、いまだにこぼれんばかりに花をつけていた。

美しく、強く、毒がある。

なんて異質で存在感のある花だろうか。


「そうして花の中におられると、あなたは、まるで花の妖精のようですね」

「え……?」


急に話しかけられて振り向いたコレットの瞳に、上品に微笑むエドアールが映った。

彼の背後にも騎士がいるが、少し離れた位置に立って周りを警戒している。