青い空が広がり、眩しいほどの日が降り注ぐ午後。
ガルナシア城正面入口の傍にある馬車止まりには、騎士団が集っていた。
白い制服を身に纏い帯剣をした彼らが囲んでいるのは、出かける準備をしている陛下だ。
黒い騎士服を身に纏い、二人乗り用の鞍を黒い馬に取り付けている。
その傍にはアクアブルーのドレスを着たコレットがおり、陛下の準備する姿を見つめていた。
ここのところずっと食事時と就寝時にしか陛下に会ってないため、騎士の姿をして作業をする様子はとても新鮮に映る。
陛下は騎士の姿になると生き生きしているように見え、やっぱりこの服が一番似合うと思っていた。
今日は午後の仕事がお休みの日。先日の夜に約束をしたお出かけの日だ。
馬の準備を終えた陛下に、騎士から黒い鞘に納まった剣が差し出された。
現騎士団長である彼は、眉間にしわを寄せてもの言いたげに陛下を見つめている。
「なんだ?」
「陛下。我らが供をしなくても本当に大丈夫なのですか」
「無論だ。私を誰だと思っている」
差し出された剣を腰に付けながら、陛下は騎士たちをギロリとひと睨みした。
猛り狂う獣も腹を見せて降伏するという、狼のように鋭い眼光だ。
普段コレットが見て“鋭くて怖い”と感じている目とは、比べ物にならないほどに威光がある。
けれどもさすが共に内戦を闘ってきた騎士たちだ、ひるむことなく陛下に進言を続ける。


