そう問いかける彼は哀しそうにも見える。
信用していないなどと、コレットは、そんなつもりは毛頭ない。
「そ、そんなことはありません。わたしは、アーシュレイにはなにも……リンダにしか話してないです」
「リンダ?」
恐らくリンダは、アーシュレイにどうするべきか尋ねたのだろう。
そこから陛下に伝わったのだ。
まもなく理解した陛下から怒りの気が消え、コレットの顎から指が離れた。
「乱暴にしてすまない。つい、我を抑えられなかった。勘違いをして君を責めるとは、情けない男だ。だがこれも、君を思うがゆえだ。許してくれ」
「わたしを、思うから……?」
それはどういう意味だろうと考えるコレットだが、すぐに思考停止させられることになる。
陛下の指はそっと唇の輪郭を辿り、ゆっくりと頬から耳へと移動していく。
いたわるような指使いにコレットの背中がぞくぞく震えて、小さな声が漏れた。
体の芯に熱が生まれて、まるで陛下の指先から、体を熱くする魔法の力が出ているよう。
次第に体の力が抜けてしまうが、陛下の腕にしっかりと支えられている。
いつもより多めに肌を甘やかされているのは、言葉少ない彼なりのいたわりと謝罪の現れなのかと思う。
うなじから下りていく指が鎖骨を撫でていき、夜着の襟もとでぴたっと止まった。
この先は……と思った瞬間ふっと離れてしまい、コレットは名残惜しさを感じていた。


