「おい、だいじょうぶか?」


誰かわからないけど、力強い腕が私を支えてくれている。


この感触、どこかで感じたことがある気がする。


その心地よさに身を任せて、眠ってしまった。




目を覚ますと、自宅のベッドで布団をかけて横になっていた。


・・・あれ、家に帰ってきた記憶がない。


記憶がないけど、ちゃんとベッドに寝ている。


おかしいな、何か違和感がある。


恐る恐る体を起こすと、ベッドにもたれかかるように誰かが眠っていた。


「あ、あのー、どちら様でしょうか?」


声をかけると、その人はムクッと起きた。


「え、えーっ、なんでここに?」


「・・・おはよ」


私の部屋にいるのは、間違いなく、本田さんだった。


「な、な、なんなんですか?」


「なんだとはなんだよ、おまえをここまで連れてきたのは俺だぞ」