愛しの残念眼鏡王子

きっと私が告白したって、信じてくれないでしょ?

「慰めてくれなくてもいいよ」とか、「嘘でも嬉しい」とか、そんな見当違いのことを言われちゃうでしょ?

だったら告白なんてできないよ。


違うのに。

専務はとても魅力的な人なのに。

どうやったら自分の自信を持ってくれるのかな?


いまだに自傷気味に笑う彼に、思わず口が動いてしまった。

「専務はとても魅力的な人ですよ?」

「――え」


当然専務は驚き、瞬きを繰り返しながら私を凝視してくる。


「だからもっと自信を持っていいと思います」

自分で言っておきながら、彼に見つめられると急激に恥ずかしくなってしまい、伏せてしまった。

おまけに専務、なにも言わないし……。

居たたまれなくなり、チラッと顔を上げて様子を窺うと、いまだに専務は固まったままだった。

けれど私と目が合うと、ぎこちない笑顔を見せた。