今も泣くほど好きな人は、どんな人なの……?
知りたい気持ちが膨れ上がっていき、私はなにも言わず専務が話してくれるのを待った。
落ち着かせるように専務は大きく深呼吸をすると、明るい声で語っていった。
「地元の高校を出て、東京の大学に進学して。……二十七歳まで付き合った彼女ができた。婚約までして結婚式の日取りまで決めていたんだけど、さ。……ちょうど父さんが体調を崩してこっちに戻るつもりだ、ついてきて欲しいって言ったら断られた。……はっきり言われたんだ、小さな会社を俺と継ぐつもりはないって。それなりに大手の会社だったからさ、そこにずっと勤めて欲しいって」
そんな――。
大学時代からずっと付き合ってきたんでしょ? それなのに専務の勤め先が変わるだけで、結婚を断るなんて。
「元々堅実な彼女でさ、言うことも一理あるよね。あのまま辞めずに勤めていたら、東京でそれなりに良い暮らしが続けられたわけだし。誰だって好き好んで田舎で苦労したくないと思うから」
知りたい気持ちが膨れ上がっていき、私はなにも言わず専務が話してくれるのを待った。
落ち着かせるように専務は大きく深呼吸をすると、明るい声で語っていった。
「地元の高校を出て、東京の大学に進学して。……二十七歳まで付き合った彼女ができた。婚約までして結婚式の日取りまで決めていたんだけど、さ。……ちょうど父さんが体調を崩してこっちに戻るつもりだ、ついてきて欲しいって言ったら断られた。……はっきり言われたんだ、小さな会社を俺と継ぐつもりはないって。それなりに大手の会社だったからさ、そこにずっと勤めて欲しいって」
そんな――。
大学時代からずっと付き合ってきたんでしょ? それなのに専務の勤め先が変わるだけで、結婚を断るなんて。
「元々堅実な彼女でさ、言うことも一理あるよね。あのまま辞めずに勤めていたら、東京でそれなりに良い暮らしが続けられたわけだし。誰だって好き好んで田舎で苦労したくないと思うから」



