ようこそ!!青蘭高校へ!!

◆ 太輔・side ◆


気づけばとっくに昼は過ぎていて3時になろうとしていた。



薬が効いたのか、体の痛みは徐々に治まりつつあった。



「あら?体 起こせるようになったの?」



あ!



「はい、何とか… 」



ゆっくり起き上がった。



「ふふっ… 寝癖可愛い」



!!!



「す、すみません… 」



慌てて後頭部の寝癖を押さえた。


やべぇ… ぴょんぴょんしてる…



「太輔君、暇じゃない?」



え?



まぁ、確かに寝てるだけで暇…



「これ手伝ってくれないかな?」



え?




「はい!なんですか?」




ドサッ!!




「うわぁ… すごい… 」



すごい量の野菜が目の前に。


どうやら野菜の下処理らしい。



「この中の… このニンジンさん」



ニンジン…



「この包丁で… これをこうやって… こんな感じ。できる?」



やったことはないけど…



「はい、やってみます」




少しは役に立たないと!



沙良のお母さんも俺の横で同じように下処理をし出した。



習ったようにしたけど…



「あれ… ?何で… こうなる??」


「意外と… あれれ??」



難しい…



簡単にやってるように見えたのに…




「最初は誰でもできないわよ。ゆっくりやってね」


「私、香さんの方を見てくるわ」




あ…




ポンと軽く俺の頭を撫でると香さんのいる調理場へ。



俺は、その後ろ姿をじっと見つめた。



そっと触られた頭を触った。








「こんなに… 触られたことないよな… 」




一樹以外…




「優しいな… 沙良のお母さん… 」










アイツが羨ましい…





本当に…




羨ま…





ザクッ!!





「っ!!いって!!」



急に指先に痛み!!




あ…




「切った… いってぇ~… 」



沙良のお母さんを見てたら手を切ってしまった。



あ~… 血が…



「どうしよう… 」



じわじわと血が出てきた。



「大丈夫!?」




え…



「あ、大丈夫です… テッシュありま… 」

「香さん!救急箱!!」




ぱくっ…





へ… ?





なっ!?!?




傷口を!?




「早く!!」


「はい!!」




ちゅぅ~…



俺の指… 舐めてる…




「洋子さん!はい!マキロン!!」


「痛いわよ、我慢して」














「はい… できました。気を付けなさい」




2人がかりで俺の指に絆創膏を貼った。




優しい2人の笑顔…




きゅんと胸の奥が熱くなる。




「あ… ありがとうございます」




俺の母さんもこんな感じだったのかな…





聴いてみたいけど…





聴けない。





母さん… あなたならこんな時 どんなことをしてくれたのかな?





俺は、胸の奥が苦しくなるほど絆創膏を見つめた。