ふわふわ…



ひらり…









「わぁ~~!!」


「何て… 綺麗なの… 」



青蘭高校へと繋がる坂道には、両脇にズラッと桜の木が並びすごく綺麗。

時折、散るには早い薄ピンクの花びらがひらひら…


私は、木々の間から眩しく光る太陽と桜にうっとりとして眺めていた。




本当に綺麗…



太陽と桜がお似合い。青空も完璧。


絶好の入学式。




「ふふっ… やっぱり素敵、青蘭って」









「… --い!!」










ピクッ…










「おーーい!!沙良ーーーー!!」




そんな気分良く浸ってる中…



ガンと現実に戻される声が聴こえてくる。



「沙良ーーー!!」




げっ…



来た…



大きく手を振っている奴がいる…


バタバタと走ってきて…



「はぁはぁ… 何でおいて行くんだよ!!」



だって…









一緒に行きたくなかったんだもん。


「恥ずかしいんだもん!廉耶ってば大きな声だから… 」


それに…

先輩に見られでもしたら誤解されちゃうんだもん…



ズシッ…




なっ!?




「ちょっと重い!どかしてよ!!」

「ああ!?いいだろ?別に… 何、朝からヒスってんだよ、アレか?」



カチン☆



「入学式だってのに大変だな」

「はぁ!?バカじゃない!!変態!!」



何考えてんのよ!このバカ!!


それに別にヒスってないもん!!


本当に重いんだもん。



まったく… コイツってば… はぁ…


この、デカくて人の肩に手を置いて休んでいるコイツは…


安藤 廉耶(れんや)

同じく、1-A。


小学生の頃からの腐れ縁の男の子、俗に言う幼なじみってやつ。


「ほら、ぷりぷりしてないで行こうぜ!!」


廉耶に腕をグイグイ引かれ桜の校門をくぐった。


すると…


なんだか賑やかと言うか、すごい女子が群がってる気がする。


一体、あの辺なんだろう??



「はい!そこの新入生!受付して講堂入ってーー!!」


あ!やば!!


門の側にいた先生が私たちを呼んだ。


急いで受付をして 講堂内に入った。


うわぁ~…



すごい…



何て華やかなんでしょうか?

壇上が花で覆い尽くされてる!!


先生たちもピシッとしてて、さすが名門青蘭高校!!


そうこうしてるうちに式が始まった。

学校長の話から始まり、役員紹介、部活の案内まで丁寧に進んでいく。

どれも楽しそうな部活ばかりだった…


でも…



私は、入れない。



事情があるから…



「では、続いて青蘭生徒会長の挨拶です!!」



生徒会長?



「藤崎会長どうぞ!!」




ザワッ…






え… ?




何?何?何で皆立つの??



「きゃーーーーーーーーーーー!!!」




!?!?!?



!?!?



何!?この黄色の声!!



「何々!?何なの!?」


座っていては何も見えないので、私も立った。















「うそ… 何アレ… 」



壇上には3人の学生がいた。



思わず声が漏れる…










「か… かっこいい… 」





壇上にいる3人に釘付けになった。