「千星、俺先出るから。」


「うん。行ってらっしゃい」



千星。私の名前。
平井千星 ( ヒライ チセ )






静かになった部屋の隅に座り

「ぱぱ、まま、行ってきます」



そう仏壇にいい、家を出た




暑くなり始めた初夏のことだった。