仁と私のストーリー


下の娘を児相(児童相談所)に預けた後、住む場所を無くした現状を察して仁が言ってくれた。

『俺の所へおいで…』

そう言って手を差しのべてくれた。
そして

『俺と結婚しょ』

『下の子引き取ってみんなで生活しよよ』

『…うん!結婚する…』

久しぶりの号泣…。

タイミングが良いプロポーズ。
すごく嬉しかった事を今でも覚えてる。
仁は本当に心のある温かい人だと確信した。

仁を私は決して裏切れない…。

心が繋がった瞬間を感じたからその思いを思い出せば絶対に私は裏切る事はないと思う。
私は仁の思いや気持ちを胸に刻んだ。

だけど、現実を考えると現役の暴力団との結婚はすごく厳しい。
なぜならいろんな規制がかかるからだ。
何に対しても名義人にはなれないし、レンタカーで車を借りる事だって罰せられる。
一般社会の中で1人の人間として生きて行くことすら必死な暴対法。
冷静になると考えてしまうけど、結婚に対して引け目などない。
この人と思えた自分の判断を信じて仁について行こうと決めた!

私の先行きが進まないまま月日だけが過ぎていく。
仁と私は相変わらず喧嘩が絶えない日々になやまされている…。
ぴったり交わらない運命にあるのだろうか!?
私の母はこう言う。

《あんたたちは気が合わなくて喧嘩をするんじゃないんよ》
《お互いが好きすぎてるから、合わなくなってるんよ》

あっ?! なるほどー。

母の意見に驚いた!!

逆の発想なんて考えもつかなかった。
やっぱり年の数だけ生きてきただけはある人です。
私はこの言葉を聞いてすごく安心しました。母の言葉はずっと私の頭の中に残っています。