心碧side

私は今、入学する桜ヶ丘学園にある桜の木の前に立っている。

あれから2年が経つ。中学の夏、私の両親は交通事故で亡くなった。私を守って。あれ以来、唯一の家族をなくしたショックで声が出なくなってしまった。
今は高校1年生になった。一人暮らしをしながら過ごしている。優磨と朔に助けてもらって、今は普通に生活している。二人は両親の友達だった。今はこの学園の先生をしている。だから私はここに入学できた。

そして今、その学園の桜をみている。

(お父さん、お母さん、私もう高校生になったよ。声はあの日から出ないけど、普通に過ごせているよ。優磨も朔もいて、一人ぼっちって思ってないよ。でも二人に会いたいな・・・。二人が守ってくれた命を大切にするから、空から見守っててね!)

いつの間にか泣いていた。しかも近くから見ていた人がいるとは気づかずに・・。