「ハア.....ハア.....ハア.........。」




真っ暗な闇の中、ひとりの少女は走っていた。



今にも破けそうなボロボロの服を着て、


裸足で、



ただただ、暗闇の中を走っていた。


























痛い、痛い、痛い...


足がすごく痛い。


もう、どれくらい走っただろうか。


何も分からない。




ここはどこなの?


どうして空が暗いの?




どうしてこんなにも――






















苦しいの?


















ズキン


急に足の裏と膝に変な痛みが走った。


私はそのまま、倒れた。






痛い、痛い、痛い!


「痛い...。う.........。」






私はこのまま死ぬのだろうか...。





それはそれでいいかもしれない。




あの地獄に戻るよりは、




あの地獄に怯えながら生きるよりは、





死んで楽になった方がいいのかも。






少女はそんなことを考えていた。





そして少女は考えることもやめ、その



まま目をつぶった。




















「おい。」



ドスの効いた低い声が聞こえた。


周りを見渡すが、暗くて何も見えない。





さっきの声が気になったが、



足の痛みと




死にたいという思いが強く




特にこれといって気にしようとしなか



った。










するとまた







「おい。」






なんなのさっきから





一人にさせてよ。




楽に死なせてよ。





少女はそんなことを考えていた。







次の瞬間、








「うぅっ.....。」








頭にもひどい痛みがきて




体に力が入らなくなった。





「あぁッ...うっ...。」





涙が出てきた。








なんで涙なんて出てくるのだろうか。




死にたいと思っているのに...



涙なんて枯れたはずなのに...





なんで。









「ちょっ、おい、お前大丈夫か??」




ちょっと焦ったような低い声を聞いて





これが大丈夫に見える?







そう思うのを最後に






意識は途切れた。