もう、何年もまえからのことです。
ふたつのある国は、ずっとせんそうをしていました。
王さまどうしの仲が、とてもわるかったのです。
その国にすむひとびとも、いつもおたがいにけんかをしていました。

たべものをとりあったり、わるぐちをいったり。
とにかく、このふたつの国は、まいにちのように、たたかっていました。

それぞれの王さまには、すばらしい子どもが、ひとりずついました。
海の国には、ベガというおひめさま。
山の国には、アルタイルという王子さま。

このふたりは、せんそうをすることを、すぐにやめてほしいと思っていました。
なぜなら、ふたりはあいしあっていたからです。