どこか逃げられる場所は……。



「こっち!」



ひょこひょこと動く青の耳。



青に引っ張られて来たのは
園内にあるプール場。



まさか、と思ったけど
案の定青はプールに飛び込んだ。


そっとスマホだけ水に浸らない場所に置いて
私もプールに飛び込む。










見事に綺麗に星と月がまだ輝いてる。






青は猫なのに水が平気なのか。



水面に差し込む月と星の光が
青を美しく照らす。



きらきらと輝く青の瞳が
またより一層吸い込まれそうな
銀河の青い色をしている。



そして耳がぽんッと引っ込んだ。



私は思わず笑ってしまった。



「ぷはッ……ッふふ……っはは!」



水面から出てきた青も笑った。



「ふッ……ははッ…」



多分警備員の人達はいなくなった。


足音も声もしない。



水面上でも月と星に照らされる青は
本当に綺麗。



「あんまり、見ないでよ」



照れたのか、青は抱きしめてくる。



多分そのあと何秒か見つめ合った。



ただひたすら綺麗な青を見ていたかった。





青の両手が私の頬を掴めば
少しずつ青が近くなる。





もう、やっと邪魔されない。





冷たい体温に、温かい唇の感触。





もう忘れられない。



離れられない。



景色も、全部。









星のように光り輝く青が、好きだ。




溺れるように、好きだ。






『……にゃあ』