「何かあったんですか?
あ…別に話したく無ければ
全然いいんですけど」



顔も知らない相手と電話で
相談に乗る、だなんて初めてだ。


相手は驚いたのか、一瞬
声が途切れた。



「えッ、あの、相談、乗ってくれるんですか?」



向こうはきっとウジ虫だろう。


勝手に『ウジ虫』と呼んでみる。



「いいですよ、あと軽く話せるように、って
まじないでも何でもないですけど
タメ口でいいですから」



むしろ私は誰にでもタメ口で話してほしい。


何だかその方が気が楽な気がする。


しかしながら小学生じみててかなり
恥ずかしい事を言った気がする。


まあでもウジ虫は嫌いじゃない。


恥ずかしがるのはその人の個性だったり
するし、何より『可愛い』なんて思ったり。


私の趣味が出そう。やめよう。



『あッ、えっと、あなたも
タメ口で……』



「あ、はい…じゃなかった、うん」



抜けきらないのも自分の癖。



どうしよう、何話そう、なんて
思ってた時、



『あの、ね、実は…俺ッ……』