「もしも〜し?」



返事は無い。



「すいませ〜ん!」



ウエッっと泣く声しか聞こえない。



さすがに腹立ってくる。



「…あの!!!!」



少し声を張り上げた。



ただでさえ、ライブ終わりで
グッズ並びに何時間も並んで
グッズの荷物もあって、へろへろなのに
声を張り上げたくもなくなるのに。


周りは幸いにも暗い街並みばかりで
人も少なくて変人扱いされずに済んだ。



するとピタッと向こうの声が消えた。



「あの、大丈夫ですか?」



まあ心配してあげるのも
泣き止む手だとは思った。



『…あ、あれ、?』



向こうもやっと、かけた相手が
違うことに気付いたっぽい。



泣き止んだからまあよしとして
次の段階へ。