「なずな〜!みて〜」


へろへろになる私の理由も
知らずにきゃっきゃっとまだ
元気にはしゃぐ青。



「…なになにどうしたどうした」



「あれ!きらきらしてる!」



指差す方には薄暗くなってきた
遊園地に映えるきらきらと
光り輝くメリーゴーランド。


オルゴールのような音色の
音楽が、楽しそうな裏に
哀しさを演出してる。


青はきらきらしたものが好きなんだっけ。


なんだか推しの新しい一面を
独占してるようで。



「…乗る?」



子供みたいにきらきらした顔の
青に聞くと照れていた。



「いや、子供に混じって乗るのは
ちょっと恥ずかしいかな…」



まあ私も恥ずかしい気もする。



「まあ、出るか」



そういって青は私の手をまた引く。


ああ、これで終わりなのか。


ちょっと、いやかなり寂しい。


楽しかった時間ももうおしまいなのか。


そう思った矢先、



「最後に、電話で言ったお店
連れてってあげる」



青が言っていた、あのお店に
連れてってくれるらしい。


まだもう少しいれる。



よかった。