『……そっ、か』



ウジ虫は声を詰まらせる。



「その人と本当に知り合い?」


『うん、まあ、お世話になってた人』



世話になってた人、かあ。



『…よくスケジュールとか
管理してくれてたり、
いつも出かける時は一緒だった』




なッ?!


まさかと思ったけど、本当に
ウジ虫、芸能人だった…?!


奴は元マネージャー?!



「ま、まって?!
君、芸能人なの?!」



『……あッ』



ウジ虫はうっかり喋ってしまった、
とでもいうかのような声が出た。



『ごめ…!この事秘密にして…!!』



いや、謎だらけの君を
周りにべらべらと喋る私は
完全に頭のおかしい奴としか見えないだろう。



「だ、大丈夫、大丈夫だから」



まあ私も多少パニック。


芸能人、っていうスキルが
加わっただけなのに、
とんでもない人と電話してる気分。


ウジ虫は有名な人なんだろうか。