「私は『Altair』っていうアイドルグループが
好きなんだけど、あ、今日はそのライブの
帰りなの」



『……えッ?本当?』



ウジ虫の声が急に変わる。


何か悪いことでも言ったかな…。


もしかして、Altairが嫌いな人か?!



「え、もしかして…Altair、嫌い……?」



恐る恐る聞いてみる。


嫌い、だったら申し訳ない…!



『う、ううん!!俺も好きなの!』



なんと!!男性ファン!!!!



「本当?!良かった!!!」


『もっと聞かせて!!』



どうしよう、家の前で喜びそう。



『メンバーで誰が好きなの…?!』



「私は青かな〜
何かあのヘタレ具合とか、天然とか
目元の笑った時のシワとか
綺麗な肌とか、綺麗な眼とか
声も好きかな?!

みんな、青なんか〜、って言うけど
青なりの個性があるのに、それを
見ないだなんて損してる!
青は普通にレアなイケメンだと
思うんだけどなあ私は」



『…………』



返事がなくなった。


もしかして、同担拒否?!


申し訳ないことした!!!!


つらい!!


そして私気持ち悪い事言った!!



「ほん、と……?」



声が小さくて聞き取れないくらいで
怒ってるのか分からない。



「もしかして、同担……?
なんかごめん、べらべらと……」





『ち、ちが、うの!!!!』





ウジ虫はまた泣き出しそうな声で返した。



「な、何で泣きそうなの?!」


『えっ、と…よく見てる、んだなって…
青を応援して、る気持ち、すごいね、!』



なんか気持ち悪い発言したのに
逆に褒めてもらった!なんかヤダ!!


アパートの自分部屋のドアノブに
鍵を突っ込む気力すら無くなってきた。


とりあえず家に入ろう、終わらせて寝よう。