「────兄ちゃん、結婚式挙げなよ」
俺の唐突な提案に、兄ちゃんは驚いたような顔をした。
「なんだよ、急に……」
「急じゃないよ、ずっと考えてた」
兄ちゃんには結婚して2年になる”由香里さん”ってゆう女の人がいる。
だけどまだ結婚式は挙げられていない。
”金が無いからなー”なんて兄ちゃんは言い訳しているけど、兄ちゃんの会社はそこそこ年収高いし、兄ちゃんもコツコツ貯金してるタイプだからそんなはずはない。
もし本当にお金が足りなくても、兄ちゃんの結婚式ともあれば父さんが喜んで出すはずだ。
本当の理由は、別にある。
「俺に気ィ遣ってんなら、気にしないで。式挙げなよ」
俺がそう言うと、兄ちゃんはすごい勢いでこっちに向き直った。
「馬鹿やろっ、お前なしで式なんか挙げるつもりなんかないからな!挙げるなら、ミナが元気になって退院してからだ」
「──1日ぐらい外出許可とれるし。それに退院だってこのまま何とも無ければ出来るよ」
「それは症状が落ち着いただけで、元気になったとは言わないだろ」
──それはそうだ。まぁ、でもしょうがないじゃん。ドナーは俺たちの都合に合わせてひょっこり現れる訳じゃないし。
それに……………………。


