───って、まさかこんなくだらないことする為にわざわざ仕事を午後だけにして俺に会いに来たのではないだろう。
「兄ちゃん、今日はどーしたの?」
「いや、別に?用はねぇよ。大切な弟に会いに来ただけだ」
そんな恥ずかしいことをさらっと言いながら、兄ちゃんは俺をじっと一瞥した。
「───痩せた?」
「最近食べてなかったからね。でもどーせすぐ元に戻るよ」
俺は”痩せた”と言われるのが嫌いだ。
なんだからこれからどんどん痩せて弱くなっていくような気がして。
まだまだ俺は終わらない。
実際いつも、また普通に食べれるようになれば元に戻るし。
兄ちゃんもそんな俺の気持ちを悟ってか、それ以上そのことには触れなかった。
だけどその代わり、俺の顔を見て言った。
「────泣いた?」
───やっぱり…まだ腫れてるんだな、瞼。
「ばれた?」
もうバレちゃったもんは仕方ないと、俺は開き直って笑った。
すると兄ちゃんは眉をひそめて真剣な顔で言った。
「………体、辛いか?それともなんか悩んでる事があるなら俺が……」
「や、違う違う。えっとこれはなんてゆーか……嬉し涙ってゆーか…」
最初は辛くて苦しくて流した涙だったけど、佐原さんが嬉し涙に変えたんだ。
「感極まっちゃっただけだから!」
兄ちゃんは”へぇー?”と言いながら首をかしげた。


