「もし俺、誰からも愛されなかったら
歌と命…二択だったら
迷わず歌を選んでるよ。
だけど俺、生きていかないといけないんだ
俺を大切にしてくれる人が居るから」
「うん…………」
「だから俺は迷ってない。
歌えなくたって生きていたい」
「…………死んでしまうのは、怖い?」
あまりに率直すぎる私の問いに、
湊くんはハッと顔を上げるけど、
また俯いてしまった。
だけど徐ろに点滴スタンドを
握っていたその手は、
微かに震えていた。
「…生きるのだって怖いんだ………」
爪が喰い込むくらいにぎゅっと握っていた手のひらから、するっと力が抜けて
そのまま鉄格子に背中からもたれ掛かるようにして膝から崩れた。
ずるりと身体から力が抜けたような君の大きな瞳からは、大粒の涙が溢れ出していた。


