ねぇ、こんなにも………。
こんなにも、
痛いほどに目が合っているのに。
こっちを見てよ、湊くん………。
「湊くんだって………泣いたらいいよ」
「………は?だからなんで」
しだいに口調に苛立ちを
混じえるようになった湊くんは
軽くあしらっているような顔で、
一言一言、考えるように
慎重に放っている。
だけど、それは私も同じだ。
「湊くんも泣きたくなったら、
泣けばいいのに」
「……………意味わかんね。
そんなことして何になるわけ?」
湊くんは点滴スタンドに視線を移し、
まだまだ終わらない点滴を確認すると、
はぁ…と溜め息を吐いた。
「泣いて喚いたら、
誰か助けてくれるわけ?」
いつもの温厚な湊くんは
いつの間にかそこに居なくて、
その冷たい口調に、恐怖さえ覚えた。
──だけど譲れない。


