明日も歌う あなたのために


暫くして、先生との話が終わったらしく
母さんが病室に帰ってきた。


「ミナ?!ちゃんと寝てなさい」


「え〜、はーーーい」


渋々再び横になりながら、
岬にだけ見えるように、
口元で人差し指を立てた。


"歌っていたことはヒミツ"
と言う意味だが、
岬はどうやら分かってくれたらしく、
嬉しそうに頷いた。


「湊………お母さん仕事ばっかりで
あんまり会いに来れなくてごめんね」


「大丈夫だよ。
龍とかしょっちゅうくるし。
見て、あの不細工なブタのぬいぐるみ、
この前 龍が置いてったんだ」



────それに……仕事が忙しいのは
俺のせいじゃないか。



母さんは面会に来ると、
何かにつけて"ごめんね"と言う。


仕事ばっかりでごめんね。
見守ることしかできなくてごめんね。
そんな体に産んで…………ごめんね。


正直、せめて岬の前では
やめて欲しいと思った。




─────なんで………?





………決まってる。


惨めで、情けなくて、
恥ずかしいからだ。