「だからおにーちゃん、 かなしいかおしないで」 「岬……?俺は悲しい顔なんか……」 「してるもん!」 岬は、俺の手を握る小さな手に ぎゅっと力を込めた。 「おにーちゃん まえまでは、 うたってるときはいつも うれしそうなかお してたのに…… さいきんかなしいかおするよ!?」 「─……………え?」 歌っている時の俺が、 嬉しそうじゃない………? そんなはず、ない。 俺は歌が大好きなんだ。