明日も歌う あなたのために


照れくさそうに
満面の笑みを浮かべると、
岬はノートに書いた”湊”の文字に
小さな指を伸ばした。


「ママからきいたんだ、
おにーちゃんの”湊”のもじのみぎがわは
”奏でる”ってもじなんだよ!
おうたがじょうずな
おにーちゃんにぴったりだね!」


奏でる、そんな言葉知ってたのか。
俺の歌を褒めてくれた岬が可愛くて、
その小さな頭をそっと撫でた。


「ねーみさき、おにーちゃんの
おうたがききたいなぁっ」


「え?歌?」


「うん、そう!ききたいのー!」


今はちょっとキツいかな……
と思ったが、とゆうか
相手が岬でなく龍なら迷わず言ったが、
岬の可愛さには負けた。
適うはずない。


「わかった、いいよ」

「やったぁ!」


小さめに息を吸って、
岬の好きな子供向けアニメの
エンディングを口ずさんだ。

岬は俺の歌に合わせて、
小さな体を左右に揺らしながら
目を閉じて聴いていた。