【花菜 side】



『気持ちはおねーちゃんと同じなのに。なんで私だけが分かってもらえないの?』




昨日の花瑠の言葉と、顔がいつまでたっても忘れられない。





年の離れた妹、花瑠。

8歳も差があるから、喧嘩なんてしたこともなかった。

いつも「おねーちゃん」と、私を慕ってくれる花瑠が、可愛く思っていた。




───だけど昨日、初めて花瑠に手を上げてしまった。




『死んでも知らないから!』




湊くんに向けられたあの言葉が、許せなかったからだ。




花瑠を叩いたこと、後悔している。



だけど何度あの場面に戻れたとしても、私は花瑠を叩いてしまうだろう。



それだけ私の中で湊くんの存在は、大きくなっているんだ。