────そうやって、2人でお互いを庇いあって。




私の入る隙なんてない、



私の気持ちなんか分かってくれない。







「大っ嫌いっ!おねーちゃんも、
高梨も!」







「花瑠…」






今度こそ振り返らずに走った。






夜の正面玄関のガラスに映る高梨が、胸を押さえて床に崩れそうになっているのが見えたけど、振り返らなかった。