「エレベーターのね……レールに車輪がハマっちゃってね…、気づかなくて私が車椅子押したら、そのまま前屈みに……車椅子ごとガッシャーンって……」
ごもごもと口篭りながらそう説明すると、おねーちゃんの表情はまた曇っていく。
「花瑠が倒したの?」
「………………」
「そうゆう心臓を驚かすような衝撃も良くないのよ?」
「──うるさいな、知ってるよっ!!」
思わず叫んでしまった。
冷たい廊下に響く私の鋭い声に、おねーちゃんだけじゃなく高梨もビクッと肩を震わせた。
「花瑠?!驚かせないでって今言って…」
「おねーちゃんがそうゆう言い方するからでしょ!?」
────別に、わざと倒したんじゃない。
私も高梨が心配だったし、本当に悪いことをしたって思ってた。
一歩間違ったら深刻な状態になっていたかもしれないし、
「大事に至らなかったんだからいーじゃん」なんて言えるほど軽い問題じゃないことも分かってる。
だから代わりに高梨が「何事もなかったし気にしてないよ」って軽い空気を作ってくれようとしてるんだ。
それを私も分かってたから、これ以上高梨に気を使わせたくなくておねーちゃんに本当のことを言ったんだ。
それなのに、こんな風に責められなくちゃいけないの?
せっかく高梨が私を気遣ってくれたのに。


