「ごめんね、湊くん動かないでね」
おねーちゃんはそう短く告げると、鼻と鼻がくっつかんばかりに高梨に顔を近づけ、額と額をコツン、とくっつけた。
「ほら、やっぱり熱上がってるじゃない」
「え…………」
「花瑠ってば、何が"大丈夫"よ!湊くんはまだ体力戻ってないんだから、あんまり振り回したらだめよ!」
─────は…………?
何その言い方。
ちょっとカチンときた私は、何か言い返そうとしたが、高梨が間に入る。
「花菜、俺平気だし。花瑠、定期みつかった?」
「………うん」
「よかった」
「うん、ごめんね高梨。寒かったよね…」
「平気。久しぶりに病室から出て楽しかったよ。振り回されたなんてとんどもない、むしろありがとう」
───高梨に気を使わせてしまった。
私はなんだか頭に血が上った自分が恥ずかしくて、思わず俯いた。


