明日も歌う あなたのために



「────行こっか、情報課」



「─うん………」




高梨を乗せた車椅子を押して、また歩き出した。



「そこを右」



「うん」



「あそこの、赤っぽいポスターの横」



高梨に言われた通りに車椅子を押すと、情報課、と書かれた札が見えた。



「俺、ここで待ってる」


「え、あ、うん!聞いてくる!」



久しぶりに病室を出て疲れたのか、高梨は情報課の入口付近に車椅子を止めて、背もたれに深くよりかかって「届けられてるといいね」と手を振った。




情報課に居たのは優しそうなおばさんで、私が定期を落としたことを話すと、「ああ、これね」と部屋の奥から私のクマのケースに入った定期を持ってきてくれた。


取り敢えず、一安心。



落し物の引渡しにも何か決まりがあるらしく、私は簡単な書類を書かされた。



そのせいで思ったより時間がかかってしまい、定期を受け取って情報課を出た頃には、もう日が暮れているようだった。