【湊 side】





「湊くん、心臓に機械を入れることになるよ」





植田先生にそう言われたのは、意識が戻ったと聞いた両親が病院に駆け付けてきたすぐ後のこと。





俺の元気そうな顔を見て泣きだした母さんを父さんと宥めてるとき、植田先生に診察室に呼ばれた。


さすがにまだうまく身体を動かせない俺は、情けなくも父さんに車椅子を押され、ただでさえ気分はブルーだった。






「手術…ってことですよね」





沈黙を破ったのは、父さん。

父さんはすごく優しいけれど、どんなときでも冷静だ。


反対に母さんはすごく心配性で、普段は冷静だけど、俺の病気のこととなるとたまに取り乱してしまう。

だから2人揃うと丁度いいバランス。




ほら今だって、父さんは冷静だけど母さんは不安そうな顔。



俺はと言うと……、

先生の座っているデスクに貼られた俺の心臓のと思われる白黒のよくわからない画像をまじまじと見詰めていた。