最近、湊くんは調子が良いものだと思っていた。
直接会うことはなかったけど、電話ごしの湊くんの声は弾んでいたから。
クリスマイブにライブに出るんだ、と言った湊くんに私も見に行きたいと主張した。
だけど彼は、「約束が果たせたら」と言ったんだ。
約束。
ドナーが見つかって、再びこの病院で会う時、伝えたい想いがある、と。
だからそれまでに強くなるから、なんて。
あんなに嬉しい約束は、なかった。
本当に叶うならば、それ以上に幸せなことはないとさえ思った。
─────だけど……結果的に、その約束が湊くんを焦らせて、こんなところまで連れてきてしまったんじゃないかと思うと、辛い。
顔を合わせていないとは言え、ずっと無理して気丈に振る舞っていた彼に気付くことも出来なかった。
こんなになるまで無理しないで欲しかった。
─────だけど…………それだけじゃなくて、
もっと私を、頼って欲しかったよ……………。