「さて、佐原さんも帰った帰った。時間外労働だよ!今回の入院は長くなるよー、また頼むね、担当看護師さん」




そう言ってニカッと笑う先生。


────私……また湊くんを担当できるんだ……。




「湊くんが早く元気になれるように、全力で頑張ります!」




私がそう言うと、先生は満足そうに微笑みながら処置室を後にした。


私も帰らないと、と思ったけれどやっぱりどうしても湊くんが気になって、帰り際に湊くんが移った病室をちらりと覗いた。




心拍は安定したものの、まだ自発呼吸の弱い湊くんは気管挿管されたままだった。


まだ目覚めないその寝顔は、今でも恐ろしい程に色素がない。







──────湊くん………もしかして、


ずっと無理してたんじゃないかな…………。






なんとなく、そう思った。